新型コロナの影響のため、2020年2月29日から長らく中止されていたサントリー山崎蒸溜所の見学ツアー。
家からもっとも近い蒸溜所なのに行けない辛さもあり、いつ再開されるのか非常に楽しみにしていた。
そして2022年に入りしばらくしてようやく再開のアナウンスを知ることとなった、が、いかんせん予約を取ろうにもあっという間に用意された枠が埋まってしまい、全く予約をとることができず。
そんな月がしばらく続いたある日、何とラッキーなことに予約を偶然にも取ることができた。
自分が今回運よく予約を取れた流れなども含め、有料ツアーの内容などを紹介したいと思う。
サントリー山崎蒸溜所 工場見学ツアーの予約の取り方
2022年11月現在、サントリー山崎・白州蒸溜所ともに有料と無料の工場見学が用意されており、どちらも参加に予約が必要となっている。
この予約が無い場合は、工場見学はおろかショップや試飲コーナーがある建物すら入ることができない。
実際にツアーに参加した日に正門の受付で「予約なしではこれ以上は行けないです」と言われている人が何組かいたので、ショップくらいは行けるだろうと思っている人が意外に多いのかもしれないな。
サントリー山崎蒸溜所の予約ページはこちらより。
予約ページを見てみると、基本的に予約フォームはこのように常に満席「×印」で埋まっている。
ちなみに次回の予約開始日は2022年12月7日(水)10:00となり、予約受付期間は2023年1月10日(火)~1月31日(火)という感じで、予約開始日が来てその1か月後の予約が開始される。
何度かこの予約開始日に予約をしようとしたが、すぐに何百・何千という予約待ちができて、自分の番が来るのを1時間ほど根気よく待った結果、全部予約が埋まっているという、そんな状態だった。
そんな状態でなぜ今回予約が取れたのかというと、本当にたまたまなのだが、夜遅くに予約ページを見ていたら△になっている日があり翌日電話で聞いてみることに。
電話は朝の10時からだったのだが、少し遅れて10時5分ほどに繋がったときには、すでにその予約は埋まっていた。
電話のオペレーターの方と少し話してみたところ、予約のキャンセルが今回みたいにぽつぽつと出てくるので、細かく見てもらうのが一番です、とのこと。
その日は仕事が休みだったので時間があるときに小まめにチェックしていると、なんと有料のツアーの空きが出ておりすぐに再度電話。そして無事にその予約を取ることができたのだ。
サントリー山崎蒸溜所 有料ツアーと無料見学の違い
有料と無料の見学があることは先に述べたが、その2つで何が違うのか公式サイトの説明によると、
無料見学は「山崎ウイスキー館内の展示やショップ、有料テイスティングカウンターをご自身で自由にお楽しみください。※スタッフによるご案内はございません」とあり、
山崎ウイスキー館の、ウイスキーに関する各種展示とYAMAZAKI DISTILLERY GIFT SHOP、テイスティングカウンターを利用することが可能。
有料のツアーについては、「前半は”山崎蒸溜所”ならではの、多彩な個性のモルトウイスキーを生み出すつくり手のこだわりに触れ、後半はシングルモルトウイスキー「山崎」の構成原酒(非売品)をテイスティングいただくことで、シングルモルトウイスキー「山崎」を存分に体感いただくツアーです。」と書かれている。
こちらはガイドさんが付いて、製造工程である工場内を案内してもらった後、山崎の試飲をすることができる。
もちろん山崎ウイスキー館の展示見学、YAMAZAKI DISTILLERY GIFT SHOP、テイスティングカウンターを利用することも可能だ。
有料でも1,000円(税込み)という破格の金額だったので、本当にこの予約を取ることができてラッキーだった。
山崎蒸溜所見学 有料ツアー当日 JR山崎駅から蒸溜所へ
今回予約が取れた時間は、10:20/11:20/12:30/13:30 /14:40とあるうちの最後の時間「14時40分」の会だった。
今までの経験で、蒸溜所にはかなり展示物が多く飾られている印象があったので、有料ツアーが始まる前に何か見れないかな?と思いかなり早めに現地に到着。
最寄りのJR京都線山崎駅に13時過ぎに着き、少し駅周辺を散策してみる。
JR山崎駅周辺はコンビニのデイリーヤマザキがあるくらいで、徒歩5分ほど歩いた先にある阪急大山崎駅もセブンイレブンがある程度。
セブンイレブンでお昼ご飯のパンを買って食べ、入れるかわからないけど山崎蒸溜所へ向かうことに。
山崎蒸溜所までの道は「西国街道」と呼ばれ、京都から大山崎、高槻など大阪を通らず西国(下関や九州まで)へ至る江戸時代の重要な幹線道路だったようで、このような石碑も残っている歴史ある街道だ。
阪急大山崎駅から15分ほど、JR山崎駅からだと10分ほど歩くと山崎蒸溜所が見えてきた。
大きな踏切を渡るとすぐに蒸溜所があるので、駅からはもちろん大阪や京都からの都市部からとても近くアクセスは非常にいいと感じる。
踏切を渡ってすぐ、大きなポットスチルがお出迎え。
周辺は芝生になっており花壇もありしっかり手入れされている。
こちらのポットスチルの正面には「SPIRIT STILL No.4」という文字が見られた。
ポットスチルを過ぎると山崎蒸溜所の看板が出てきて、見学受付の文字があったのでそちらの方へ向かうことに。
駐車場と受付の間にはミニ自然植物園と書かれたスペースがあり、こちらも綺麗に手入れされた植物のエリアがあった。
春なんかには綺麗な花が咲いているのだろうな。
この植物園を抜けると受付があったので、少し早いけど入場できるか聞いてみることに。
蒸溜所への入場受付
受付に到着したのが、13時30分ごろ。
14時40分のツアー開始まで1時間以上あったが、先に入って展示物を見といてください。と問題なく入ることができた。
検温と消毒後、ここでツアーの代金1,000円を支払い、館内のマップとツアー参加者の証明である首からかける入館証をもらい中へと向かう。
このあたりで、予約のない方が数組入ろうとしたけど案内の人に止められている光景をみた。
確かになんとなく入れそうな雰囲気はあったけど、「完全予約制」の文字が小さく少しわかりにくいかもな。
受付横にあった案内と「完全予約制」の文字。
受付で渡されたツアー参加者の証明。下にはツアー参加時間が書かれていた。
これを首にかけることで中に入ることができる。
しかし立派な建物だ!さすが歴史ある山崎蒸溜所といった感じ。
山崎ウイスキー館で展示物を見学
受付からすぐ先にまず「山崎ウイスキー館」があった。
入り口横の看板にはこの建物が昔、ウイスキーの瓶詰め場として使用されていたと書かれていた。
また経済産業省により、近代化産業遺産というものに登録されているようだ。
さっそく中に入ってみると、山崎の地を選んだ理由や創業者である鳥井信治郎氏の紹介がまず展示されていた。
そしてその奥には当時の様子をうかがえる写真やウイスキーボトルの展示、創業期の広告など歴史を知れる展示物が多く並べられていた。
創業当時の山崎蒸溜所の平面図。
1929年に発売された、念願の国産第一号のウイスキー「白札」のボトル。
最初に発売された「白札」の売れ行きが低調だったため、貯蔵庫でじっくりと熟成を重ね香味がよくなったこの「角瓶」は好評だった。
白札が爆発的に売れていたら角瓶は存在しなかったのかも、と思うと面白いなぁ。
鳥井信治朗氏から2代目の佐治敬三氏への引継ぎ。
当時皇太子であった明仁皇太子からの依頼で、イギリスのエリザベス二世へと送られたウイスキー。
天皇家の菊の御紋も書かれており非常に歴史を感じる。
そして時は進み、3代目現マスターブレンダーの鳥井信吾氏の紹介。
もちろん山崎や白州もこのあたりで紹介をされている。
展示物についてはかなり豊富にあり、ここだけで30分はいただろうか。無料の見学はこの展示物は見れるので機会があればぜひ訪れて欲しい場所だと思う。
ウイスキーライブラリー
創業期の展示コーナーを抜けると、ウイスキーライブラリーがあった。
ここは蒸溜や樽、原料の麦芽、酵母の違いによって色や味が変わることを実際のボトルで表現していて非常に面白いエリアだ。
こちらは麦芽の違いによる原酒。ほとんど色の違いは変わらないように見える。
少し暗くて文字が見えにくいが、こちらは1989年に蒸溜され、480Lのパンチョン樽で貯蔵されたもの。
色味は比較的薄いのがわかる。
こちらは同じ1989年蒸溜したものだが、シェリーバット樽貯蔵の物。
樽のサイズは480Lでパンチョンと同じだが、ものすごく濃い色をしている。
シェリー樽は色が濃く出るけどこんなにも濃いい色になるとは、う~んめっちゃ飲んでみたい!
こちらは熟成年数の違いを比較したもの。
左上が1960年蒸溜、右上が1970年蒸溜、左下が1980年蒸溜、右下が1990年蒸溜となっている。
やはり熟成年数が長いと色も基本的には濃くなっているのがわかるけど、60年もののウイスキーってすごい。
ポットスチルのを輪切りにしたオブジェが中心にどーんと置かれている。
他にも世界の5大ウイスキーコーナーには、このように有名ブランドのウイスキーボトルがずらりと並んでいた。
大好きなグレンフィディック。
30年とか見たことなかったけど、いくらするんだろうか。
マッカランもしばらく飲んでないけどまた飲みたいなぁ。
アメリカンウイスキーではジムビームとブッカーズなどが並んでいた。
2階も見ごたえある山崎や響の展示物と紹介
1階の試飲コーナーは最後に行くとして、まだツアーまでの時間があったので2階の展示物を見ることに。
すでにお腹いっぱいな展示物の量だったが、2階もかなり充実した説明がずらりと並んでいた。
2階の展示コーナーは主に「山崎」と「響」の誕生についてが詳しく説明と展示がされていた。
1984年発売のシングルモルト山崎ができるまで、貯蔵されている数えきれない樽の中から2年間もブレンドと研究を重ねていたなんて・・・とんでもない努力の塊だったんだな。
山崎各種の香り風味の違いがこんなにあったとは。
山崎のボトルデザインも、めっちゃこだわっているのがよく分かった。
しかも山崎の「崎」は右半分が「寿」と書かれていたのは、全く気付かず知らなかったなぁ。
サントリーの前身は「壽屋(寿屋)」という社名だったので、そこからも文字を受け継いでいたとは!
そして1989年発売のブレンデッドウイスキー「響」。
山崎の誕生秘話にもあったけど、このサントリーという会社が「調和」をとても大事にしているのがよくわかる。
このバランスが日本人の舌にも合う、世界でも愛される味になって育ってきたんだなぁと。
響は本当に飲みやすくて好きだけど、全然買えなくなったのが残念。
展示物に関しては現場でじっくりと見たけど、ツアーの時間も迫ってきたので集合場所へと向かうことに。
1時間では少し足りないかな~と感じるくらい豊富な展示物が用意されてあった。
運よく予約が取れた方は、1時間でも2時間でも早く向かってこれらを楽しむのをおススメしたい!
山崎蒸溜所工場見学 有料ツアーのスタート
14時30分、ツアー開始の10分前頃に案内役のガイドさんとサポートする方の2名が2階の待合所に来られた。
外国からのゲストも来ており、スマホのアプリの使い方を説明している様子で14時40分ツアーがスタート。
まずは簡単に、製造工程について集合場所にあった模型を使っての説明と立地の紹介から。
なぜサントリー創業者の鳥井氏はこの山崎という地を選んだのか。
天王山の麓であるこの地は、日本の名水百選にも選ばれている水がある事、そして桂川・宇治川・木津川の3つの川が合流する地点で、湿度が高く霧がよく発生し、その湿度のおかげで貯蔵樽もいい状態を保つことができ熟成にも効果があるとのこと。
もともと木でできた熟成樽は乾燥することで割れが起きる場合があるが、この湿度のおかげで樽の割れも抑えられ、熟成にいい影響を及ぼすようだ。
そしてウイスキー造りに必要な材料は、大麦(二条大麦)と水のみ。
上質の水を使用することで最終的な味にも大きな影響を及ぼすため、これらの理由により山崎を選んだという事だ。
ウイスキー造りの工程としては、
①麦芽を砕き水と合わせて仕込み槽で麦汁を作る「仕込み」
②ろ過した麦汁を発酵機にいれ酵母を加えもろみを作る「発酵」
③できたもろみを2度蒸溜し原酒を作る「蒸溜」の3つがある。
そして蒸溜した原酒を樽に詰め替えて熟成が開始され、長い年月かけて完成となる。
これらの工程を、実際の現場を見ながら再度説明をしてくれるという流れだ。
この日のこの時間のツアーは自分も含め12人でスタート。
まずは外に出て工場のある建物へと移動。
建物を出るとまず見えたのが創業時1924年当時に使用していたポットスチル。
こちらは当時手作りで国内で作られた蒸溜窯で、表面が手作業のため凸凹しているのが特徴的な見た目だ。
最初は2基から始めた蒸溜だが、2022年の今では計16基のポットスチルが稼働しているという。
そしてポットスチルの横には左から創業者の鳥井信治郎氏と、「山崎」「響」を生み出した佐治敬三氏の銅像があった。
道路を渡り工場のあるエリアに入るとまずは2階へと移動。
もう既にこの時点で麦の香りがあたりに立ち込めており、自分も含め参加者のテンションが上がる上がる。
仕込み工程
まずはこちらの仕込み、発酵室から見学となる。
部屋の中はかなり湿度と温度が高く、ものすごく麦の香りが立ち込めていた。
入って左手が「仕込み」に使われるマッシュタンと呼ばれる大きな糖化槽があり、ここに大小細かく砕かれた麦芽と約60度の水を入れ内部で撹拌され糖化される。
でんぷんが糖に分解されたあと、ろ過され「麦のジュース」となったものを横の発酵槽へと移す。
発酵工程
糖化槽の向かい側に8個の発酵槽があり、先ほどできた「麦のジュース」を移した後に酵母を加える。
麦のジュースの時点ではアルコールはないので、酵母を加え3日間ほど置くと糖が分解され約7パーセントの「もろみ」が出来上がる。
またこの発酵槽は上部しか見えていないが、高さは約5mほどもあり、この槽の中に約半分「麦のジュース」をいれる。
発酵時に泡が出てあふれるのを防ぐため、満タンでは入れない工夫もされているようだ。
山崎蒸留所では2種類の槽を用意しており、ステンレス発酵槽と木桶発酵槽でこれらの槽の違いでも味が変わってくるとの事。
蒸溜工程
次に蒸溜室の見学。
ここでは蒸溜室内での写真撮影は禁止されているため、部屋に入る前と出た後に中の様子の撮影が可能だった。
これは蒸溜室に入る前の写真だが、向かって左手が初溜、右手が再溜のポットスチルという事だ。
それぞれ左右に6基づつ、12基がこの蒸溜室に置かれている。
ポットスチルの形状も独特で、上部に膨らみがあるものと無いものでも味が変わってくるようだ。
手前の膨らみがあるポットスチルでは気流に滞留ができ味がまろやかになる一方、膨らみのないストレートなポットスチルは滞留ができにくく、味わいが力強いものができる。
なのでこのように複数の種類の蒸溜窯や先ほどの発酵槽を用意して作り、味の種類をいくつも作ることでブレンドするウイスキーの原酒の数を増やし味わいを深くする目的もあるようだ。
1つの蒸溜所で少しでも豊富な種類の原酒を作るために、こういう努力があったなんてなぁ。
初めて知ることができた。
こちらは出口側から撮影した蒸溜室。
部屋の上部に初溜と再溜の看板が掛けられている。
2度の蒸溜を行い約7%ほどだったもろみが、70%へ一気に上がりの蒸溜酒(ニューポット)となり、これがウイスキーの原酒となる。
またこの蒸溜室以外に別の部屋に4基のポットスチルが置かれているという事だったが、これらは2013年に山崎蒸溜所90周年記念としてスコットランドからオリジナルの釜の形で輸入したものがあるようだ。
残念ながら実物は見ることができず、このような写真が見学通路に飾られていた。
写真を見る限りポットスチルのくぼみが無いので、癖のありそうな個性的なウイスキーができそうだ。
最後は貯蔵庫
最後に訪れたのが、原酒を熟成をするための貯蔵庫。
かなり広大な場所で、ここで約2,000樽の保管が可能という事だ。
右が10年熟成後のウイスキー残量で、左が20年熟成の物。
木でできた熟成樽は日々呼吸をしており、わずかながらその隙間から蒸発してしまう。
このことを「エンジェルズシェア」天使のわけまえと呼んでいる。
大体ここ山崎蒸溜所で年間2~3%が天使によって飲まれているので、20年もすればこれだけ減っているのだ。
またこのエリアには実際の樽が展示されており、山崎蒸溜所で一番多いのが「パンチョン樽」。
パンチョン樽は480L入る大きめの樽なのだが、山崎蒸溜所で熟成したウイスキーは熟成が早く進むため、大きな樽でその分熟成速度を調整しているとの事。
大きな樽になれば、ウイスキーの原液が樽の木の部分にあたる割合が少なくなり一般的に熟成は遅くなる。
小さな樽は木にあたる割合が大きくなり一般的に熟成は早く進む。
その辺の特徴を考えて、気候で熟成が早まる分、樽で遅くしてバランスを取っているようだ。
またこの樽の側面に白色と黒色の樽があり、これらの違いはモルトかグレーンかで分けられている。
グレーンというのは麦以外の穀物を原料として作られるウイスキーで、サントリーでいえば愛知県の知多蒸溜所で蒸溜されたウイスキーをわざわざ山崎まで持ってきて熟成させている。
何かとても深い理由があるのだろうと聞いたところ「知多には置く場所がない」という事で案の定深い理由があったようだ。
ちなみに展示してあった樽の中に「シェリー樽」が無かったので聞いたところ、展示はしてないけどありますよと教えてくれた。
ちょっとわかりにくいのだが、上の写真でいうと、上の段真ん中に「KTB」と刻印された樽があるのがわかる。
拡大した写真がこちら。
真ん中らへんに「KTB」と印が押されており、これは「KoToBukiya(壽屋)」文字を取って押されている。
なんのために押されているかというと、サントリーで作った新樽をシェリー酒会社に渡すときに、他の樽と区別するため、この印を押して目印にしているのだ。
わざわざシェリー樽を手に入れるために、自社で生産して渡すのはマッカランと同じでこだわりがすごいわ。
という事で、この香りのとてもよい貯蔵庫を見て回り工場見学は終了。
次はお待ちかねの試飲タイムが待っているので、場所を移動して試飲コーナーへと向かった。
シングルモルト山崎と原酒の試飲会
貯蔵庫から移動をしてやってきたのが試飲コーナー。
試飲といっても一般のゲストが入れる場所ではなく、ツアーゲストのみが入る感じの場所だった。
大きめなホールに一人一席、試飲セットが用意されていた。
用意されていたのは、ホワイトオーク樽原酒、ワイン樽原酒、そしてシングルモルト山崎の3種。
ここではかなり丁寧に、1つづつの味わい方、香り、特徴を説明してもらい、試飲するスタイルだった。
まずは外観、色を見てみる。
そしてグラスを軽く回してみて香りが立つのを感じる。
そして少し加水して、味を確かめるという順番で進めていった。
本物のブレンダーさんもストレートではなく、少し加水して20~25%の状態でテイスティングしてるんだって!
これも今回初めて知ったなぁ。
まずはホワイトオーク樽原酒から。
ホワイトオーク樽12年以上の原酒で、香りはかなり甘めのバニラで刺激もほとんど感じられなく好きな匂いだ。
しかし飲んでみると意外に刺激ある味わいで、何というか荒々しいしい味わい。
もっとまろやかな味わいかと思ったら違ったので少しびっくり、こういうのが面白いよねぇ。
次にワイン樽原酒を。
ワイン樽といっても原酒からずっとこの樽で熟成しているわけではなく、主に先ほどのホワイトオーク樽で寝かせて、出荷する前の半年から1年ほどをワイン樽で寝かしておいて、そして出荷をしているとの事。
こちらは先ほどより粘り気があり、糖度が高そうだ。
匂いも爽やかな感じでフルーツな感じを感じる。
味わってみると、先ほどのホワイトオーク樽よりマイルドでさっぱりした味わい。
そして最後にシングルモルト山崎を。
先ほどの原酒をブレンドして作られているが、全くの別物のような味わい。
本当にマイルドでバニラの甘い香りも感じれるし、フルーツさもある。
特に味がさすがといった感じで、バランスよくブレンドされていて本当に飲みやすくなっているのがわかる。
先ほどにはなかったチョコのような香りも感じられ、とても美味しく頂けた。
最後にシングルモルト山崎を使い、山崎の水を使ったソーダと、山崎の水でできた氷を使って、なんとも贅沢なハイボールを作ることに!
こちらが山崎の天然水で作られたプレミアムソーダ。
こちらが山崎の水で作られた氷。
氷だけで食べてみたけどこれがめちゃくちゃ美味しい!
それ以前にチェイサーとして水が用意されていたのだが、これが美味しいのなんのって。
氷を満タンに入れたグラスをかき混ぜ、グラスを冷やし、その中に山崎を入れる。
氷が解け少し隙間ができるので、さらに氷をいれてそこにソーダを加える!
普段あんまりハイボールはこうやって作ってまで飲まないけど、このハイボールがめちゃくちゃうまい!
贅沢の極みハイボールは、間違いなく今まで飲んだ中で一番おいしいハイボールとなった。
この試飲セットと並べられて用意されていたおかきとチョコもとても美味しくて、本当に満足できる試飲時間となった。
1,000円でこれだけ満足感高い工場見学があっていいのか!と思えるレベル。
これが気軽に暇な時間にけるようになれば最高だなぁと思いつつ、試飲タイムは終了。
工場見学と試飲の時間を含めて約80分。
終了したのが16時頃だったので、有料試飲の時間が少なくなっていたので急いで向かうことに。
売店も何が売っているのか見たかったので、少しここからあわただしかったかも。
山崎蒸溜所ギフトショップで販売されていたグッズ
試飲コーナーに行く前に少しだけギフトショップに立ち寄り、どのようなグッズがあるのかを見てみることに。
山崎蒸溜所のページにも記載があったが、2022年9月1日(木)より当面の間、「シングルモルトウイスキー山崎 700ml」と「山崎蒸溜所限定ウイスキー」の取り扱いを休止するという事で、お酒に関しては一般の酒屋さんで買えるものが中心に置かれていた。
ジャパニーズウイスキーは「オールド」「ローヤル」「角」「Ao」「知多」などが販売。
アメリカンは「ジムビーム」「メーカーズマーク」、そしてスコッチは「グレンフィディック」や「バランタイン」。
バランタインは日本限定・数量限定のものが1種類販売されていた。
カナディアンは「カナディアンクラブ」が用意されていた。
ウイスキーの他には、山崎の樽で熟成した梅酒も販売。
かなり飲んでみたかったけど、高額だったので今回は購入せず。でもいつか飲んでみたいものだ。
山崎蒸溜所限定のグラスは「ハーフロック」「テイスティング」「ショット」の3種類で手ごろな値段。
お土産にはちょうど良さそうなもので、結構ゲストの手に取られていた印象だ。
他にもデザインがすごく素敵な「謎」グラスや、響×バカラのロックグラスも売られていた。
特にバカラのグラスはめっちゃかっこよかったけど、16,500円(税込)とさすがのお値段。
1つこういうグラスを持ちたいけど、しばらく後になりそうだ・・・。
山崎のステンレス製ハイボールタンブラーも販売されていた。
お店の壁側にはこのような棚があり、ポストカードや折り紙、響のカレンダーを見ることができた。
こちらは種類は少なかったけど、本とCDコーナー。
試飲コーナーで頂いたデザインのかわいい12個入ったチョコレートは、とても美味しかったので自分用に1つ購入。
こちらの暖かいデザインの山崎コースターもついつい買ってしまった。
どこかに並べて部屋に飾ろうかしら。
こちらは蒸溜所限定の手ぬぐい。
あとは樽材で作られたコースターや小物入れ、スプーンなども豊富に用意されていた。
1つが手ごろな値段なのでついつい集めたくなってしまうなぁ。
この樽側面のデザインがされたトレーめっちゃ欲しい!と思ったけど、約5,000円は躊躇してしまい結局買わず。
これはなかなか珍しく感じるので、やっぱり買っとけばよかったかなぁと少し後悔。
結局最後に、樽材で作られた箸も1つ購入をしてしまった。
山崎の700mlボトルは販売されていなかったが、180mlのミニボトルとタンブラーのセットが2,695円で販売。
こちらは山崎180mlのミニボトルとピュアチョコのセットが2,355円。
この辺のセットの山崎もお土産には良さそうだなぁと感じる。
あとはレジ横にピンバッチが売られていた。
こういうのもめちゃくちゃ集めたくなるわぁ。
ギフトショップは大体こんな感じで、余市のショップに比べると少し小さめかなぁという印象。
街で買いにくいウイスキーがもう少し置いているかと思ったけど、それはかなわず少し残念だ。
でも可愛いアイテムも買えたし満足して次は有料試飲へと向かった。
有料のテイスティングカウンターで締め
最後にラストオーダーの時間も近くなっていたので、有料試飲をして終わることに。
2階のギフトショップから1階のテイスティングカウンターへ行き、何を注文するか迷う迷う。
こちらの試飲コーナーでの注意点としては、
・営業時間 10:00~16:45(ラストオーダー16:30)
・安全上、見学ツアー参加前の利用は控える
・全てストレート(15ml)での提供
・状況により、品切れとなる場合も
・ソフトドリンク、おつまみの用意はなし
・食品工場のため、食品衛生上、飲食物の持込はだめ
という事で、知らずにツアー前に飲んでしまわなくてよかった~。
自分の順番が来たので、せっかくならと「超長期熟成ウイスキー体感セット」を注文。
こちらは贅沢にも「山崎18年」「白州18年」「響21年」の3つがセットになったもの。
これが2,400円とか価格設定大丈夫かな?という値段のうえまず普通に飲めることはないので、こちらを選択してみた。
一人3杯までなので、結構この組み合わせを注文しているゲストも多いみたいだ。
少し待ってトレーに乗った試飲ウイスキーを受け取り空いているテーブルへ。
以前、山崎18年を1度だけ飲んだことがあるが、他の2種もめちゃくちゃ熟成が感じられ今まで飲んだことないおいしさのウイスキーだった。
もちろん高額すぎて普段飲みに買うことはできないけど、こういう機会にこの味を楽しめたことは一生の思い出になった!
これらのウイスキーをまた飲むためだけでも、無料見学の予約ができればなぁと感じている。
ということで初めての山崎蒸溜所で過ごせた時間は大満足の一言。
ようやく訪れる事が出来て本当に良かった。これがもっと来やすくなることを心から願うばかりだ。
山崎蒸溜所でのツアー予約や、蒸留所については下のオフィシャルホームページより。
名称 : サントリー 山崎蒸溜所
住所 :〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5丁目2−1
休館日:年末年始・工場休業日(臨時休業あり)
入場料:有料ツアー1000円、無料見学もあるがどちらも予約が必要
HP :サントリー山崎蒸溜所